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こんにちは。スタッフの伊藤です。
あっという間にゴールデンウィークも終わって、暑さも日に日に増してきているような気がします。そんなGWの始めに今年初のトレイルランニングレースに出場してきました。
12月の武田の杜から約4ヶ月近くが経ち、久しぶりのレースが楽しみです!
参戦したのは、4月30日に愛知県で開催された奥三河パワートレイルです。
この大会は今年で3回目となりますが、僕にとって最大の魅力だったことが一つあります。
それは、、、
完走率がとにかく低いこと。
1回目の完走率は30%、2回目は60%でした。今年の完走率はなんと49%です。二人に一人は完走できない過酷なレースなのです。
またこのレースは、出場するには以下のいずれかの条件を満たしていないと参加できません。
(1)3年以内に50km以上のトレイルランニング完走
(2)ロードマラソン100km以上完走
(3)第1回もしくは第2回奥三河パワートレイル第2関門到達
こんな強者を集めてこの結果、完走するのが難しいレースは挑みがいがありますね!

魅力とは言え、レースの総距離は70km、累積標高4000m、下り4800m。
僕は去年の斑尾高原トレイルランニングレースの50kmが今まで走った最長距離だったので70kmは未知の世界。本当に完走できるのか、不安と戦いながら練習をしていきました。

今回パワートレイルにはBEACHから会員さん2名、僕とカズさんの4名で参戦です。
大会前日の4/29にエントリーと備品チェック、コースガイダンスを受けつ必要があります。
カズさんの運転で愛知県までいきました。が、皆それぞれの思いを持ってか、道中車内はレースの話題にはあまり触れずです。

まず初めに向かったのがスタート地点。まだまだスタート会場らしくなく、ゲートがありませんでした。もうお昼近くなのに大丈夫かな。標高が高いせいか寒い。(標高1200m)
明日のスタート時は、寒さ対策必須です。


レースの受付と備品チェックはスタート地点から道路上でも50km以上離れたゴール地点で行います。


このレースには、装備必携品10点があり選手は必ず携行しなければなりません。
その中でもライト、予備電池、熊鈴、レインジャケット(耐水圧10000mm/㎠以上)携帯電話の5点の装備チェックは前日に受けます。レインジャケットはPatagoniaのストームレーサーなので、問題なくOKでした。
 

競技説明会は、畳に車座で聞きます。新鮮。

エイドステーション5箇所。ウォーターステーション2箇所。
心の中で作戦を考えます。
石川弘樹さんが何度も繰り返し言っていた必需品、サポートを受けることは禁止。
見つけた場合は失格です。当たり前ですが、再度心に投げ聞かせました。
ゴール地点で写真を撮り、明日は必ずここに戻ると誓いました!


でもどんな心境でゴールするのだろうか?と考えながら宿へ。
今回の宿泊先は天然温泉に入れる秀山荘でした。温泉がとっても気持ちよく、カズさんも運転の疲れが癒されたのではないでしょうか(*゚∀゚*)料理も豪華、美味しかったです。


明日の準備を整え、3時の起床に備え早めに寝ます。
大会当日は、宿のおかみさんが用意してくださったおにぎりを頂いてスタート会場へ向かいます。空も明るくなってきて間も無くスタートです。梅干しおにぎりありがとうございました!!

BEACH会員の参加者は、登山経験の長いハナさんと、トライアスリーターでウルトラマンレースにも挑戦するショウエンさんです。負けられません!

6時半にスタートし、19時半までにゴールを目指します。制限時間は13時間。
僕の立てた作戦は、前半を抑えながら、後半に体力を残す戦法です。
とにかく前半30kmまでは下り基調で比較的走りやすいと聞いていたので足に疲れを溜めないように抑えて走る!後半は歩き続けてでも完走したい!という完走目的で挑みました。
スタート直後は思っていた通り、下りも多く走りやすいっ。みんな結構早いです,,,

気持ちよく第1エイド津具グリーンパーク(12km)に着きます。

とにかく長居しないように心がけました。斑尾での失敗を活かします。
でもシシ汁を美味しく頂きました。カズさんはshotzをとってますね。

その後約17km地点のウォーターステーション面ノ木園地では水とMAGMAが飲めます。


カズさんは、MAGMAと一緒にここでもshotz投入です!


スタートからこんな感じの高低差です。
この表から見えてこないアップダウンがあり何気に登らされ感もありました。



MAGMAを取って淡々と走り続け、次の第2エイドの笹暮(25,8km)も順調に着き、いちごやお餅でエネルギーを補給です。でも長居せずにすぐ出発!

レース前半はロードも結構ありました。

第3エイド小松(37,3km)では本大会プロデューサー石川弘樹さんに「随分とゆっくりしているな(笑)」と激励をいただきましたが、、、
確かにここまでのタイムは4時間20分。だいぶ抑えてきましたが、AS2以降は林道で砂利道の下り坂が8km近く続く、走らされるところで足をだいぶ使ってしまっており疲労感も。とにかく前に進むしかない。しかし、ここから第4エイドまでにトップ選手でも2時間かかると言われている岩古谷山、鞍掛山が待ち受けています。気合を入れて後半戦へGO!


想像をはるかに越える急坂、山道、階段が続きます。
前後から「足を攣ったーー!」と悲鳴も聞こえてきます。僕の足も攣りそうで、2分に一回の水分補給(電解質入りのショッツエレクトロパウダー)を心掛けます。足がいつ攣ってもおかしくない状況。この二つの山はなんと言っても頂上に着かない!登ってもすぐに下る。下ったらまた登るの繰り返し。気持ち的にも大変な山でした。 

前を走っていたカズさんと第4エイド四谷千枚田(48,4km)で合流。二人とも相当キツそうですね。
信越五岳110kmのレースを経験済みのカズさんも足つり状態とか。
ここ48km地点は第二関門で、スタートから9時間で通過する必要があります。
ハナさんとショウエンさんは、残念ながらここで涙を飲んだそうです。山に強いハナさんとウルトラマン級のショウエンさんが関門に間に合わない、ホント過酷なんコースなんです。

暑さも重なり、被り水で頭を冷やします。
また、大会が用意してくれているレッドブルを飲みカフェイン効果に期待します。

きついと言われていた二つの山を超えたなら、もうゴールはあと20kmだ!と油断していました。
AS5までは、さらに体と心を追い込む山が現れることを知らずにいました。

最終エイドへ向かいます。



エイドを出てからすぐに山へ入ります。先ほど飲んだレッドブルのカフェインが効き始め、足の痛みが軽減、気持ちがハイになり、どんどんペースが上がります!!
レース前の1ヶ月間は極力カフェインを取らない生活を心掛けていたので、久しぶりに摂取するカフェインは本当に効くことを実感です!ここまでの疲れが嘘のように元気を取り戻せた気がします。その調子のまま第5エイド棚山高原(57,1km)まで行けると思いきや、キツイ登りと共にカフェインも切れてきます。AS4からAS5までの10kmを1時間40分以上もかけてようやく到着です。
エイドはもうなく、あとはゴールを目指すだけ、今度はカフェイン入りのshotzを投入です!


でもまだまだ、楽はさせてもらえませんでした。この大会のラスボス、鳳来寺山が傷んだ足をさらに痛めつけます。またまた登りと階段の繰り返し、いつになったらピークに着けるのー!状態がこれでもかと続きます。これだけの偽ピークが集まったコースは、本当に気持ちをキープするのが大変です。良い経験になりました。
鳳来寺の予備関門をすぎゴールに近づくにつれて下り坂が急になって行きます。
ここまできたらゴールは目の前!あとは下りだけ。でも油断できない、またまた足を追い込む砂利道の4km以上続く林道が気持ちを焦らせます。正直言うと最後の林道は本当に長くて辛かった。
無理にでも笑わないと辛いだけ、とにかく笑顔を作って自分を奮い立てながら走ります。
そして待ちに待ったゴールを迎えることができました!

タイムは11時間24分。長いなが〜い、レースでした。

カズさんもすぐにゴール!この笑顔も無理に作りました(笑)
胃がムカムカする、早く座りたいで気持ちはいっぱいです。
今年の完走率49%は、昨年より10%以上下がっています。気温が高かったせいかなー。
参加条件が厳しい中、これだけ完走率が低いのです。制限時間がどれだけ厳しいかお分かり頂けると思います。
 
とにかく完走できてよかったです。ゴール後はもうフラフラでした。
11時間も走りっぱなしは人生で初めてですし、本当に貴重な体験をさせていただきました。
ずーと、応援してくれた地元のおじいちゃん、おばあちゃん、大会のボランティア活動をしてくれた皆さん、大会プロデューサーの石川弘樹さん、本当にありがとうございました。

走っている最中に心が折れそうになると思っていましたが、奥三河の自然に触れられたことや地元の方々やエイドステーションに先回りしてくれていたミノリさんを始めBEACH会員ユカさん、アイさん達のおかげで気持ちを切らさずに進めました。
この達成感、本当にトレイルランニングをやっていてよかったと心から思います。
元気になったら、またここを走りたいと思うかな???

とにかくゆっくり休みたい。奥三河パワートレイル恐るべし。でした。
コースマップ
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